宅建試験ってどうやって勉強すればいいの?
宅建試験の受験を控えている方に向けて、独学で合格した私が勉強法を解説していきます。
合格率17%と低い試験ですので、簡単に合格できる試験ではありません。
私は不動産取引に係る業務に従事しておらず、法律についても勉強したことがなかったので、宅建試験に向けて勉強した内容はすべてはじめて学ぶことばかりでしたが、なんとか独学で合格することができました!
私が実際に合格した勉強法を参考にしてもらえば、どんな人でも宅建試験に合格できます。
要点を抑えて勉強して、効率的に合格を目指しましょう!!
この記事でわかること
- 独学での勉強が向いている人
- 宅建試験の独学勉強法
- 宅建試験の勉強で気を付けるポイント
記事の信頼性・筆者の経歴
- 宅建試験、その他10以上の資格保持者。
- 証券会社に勤めた経験はなく、本業で証券分析は行っていない。
- 合格に直結する効率的な勉強が得意。
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独学での勉強が向いている人
宅建試験は難易度の高い試験なので、簡単に独学で合格できるわけではありません。
以下の要素が1つでもあてはまる方で、やる気がある方は独学での合格は目指せます!
不動産取引に関係する知識がある人
宅建試験の問題はかなり専門的で、初学者には抵抗感のある内容が多いです。
そのため、何も知識がない状態で独学で勉強する場合は試験勉強をはじめてすぐに挫折してしまう可能性があります。
普段、不動産取引に関する業務に従事している人であれば、宅建試験の問題にもあまり抵抗感なく挫折せずに独学での合格を目指せると思います。
法律に関する知識がある人
宅建試験で一番苦戦すると言われているのは、民法に関する科目です。
不動産に関する法律総則、物権、債権、相続などについて幅広く学ぶ必要がありますが、はじめて法律に触れる人だと抵抗感が強い範囲といえます。
私も宅建試験の勉強をするときに、民法が一番苦戦した範囲でした。
大学で法律系の学部を卒業された方など法律の知識が元々ある人は、抵抗感なく勉強することができるため、独学でも合格を目指せると思います。
学習スケジュールを自己管理できる人
宅建試験の合格のために必要な勉強期間は300時間以上といわれており、数か月以上は勉強する必要があります。
そのため、試験に向けて自分で学習スケジュールを立てて、スケジュール通りに勉強できる真の強さが必要です。
また、独学で勉強するとモチベーション維持が大変なのも難点です。
途中で勉強を投げ出さない強い気持ちがない限り、独学はおすすめしません。
独学で資格を合格した経験のある人
勉強時間が100時間以上必要な資格に独学で合格した経験がある人は、資格の勉強の段取りや要領を抑えているはずです。
独学で勉強した経験は自分なりの勉強しやすいスケジュールや勉強のペースを把握できるため、独学に慣れていることは非常に大きな強みとなります。
宅建試験の独学勉強法
宅建試験の勉強法を次の4つのポイントから解説していきます。
- 使用するテキスト
- 勉強手順
- 勉強のポイント
- 勉強時間
使用するテキスト
私が宅建試験の勉強に使用したテキストは次のとおりです。
- みんなが欲しかった!宅建士の教科書
- みんなが欲しかった!宅建士の問題集
- 公式HPでダウンロードできる過去問5年分
過去問は不動産適正取引推進機構の公式サイトから過去10年分ダウンロードできます。
法改正も定期的にあるため、過去5年分をしっかり解ければ十分です。
勉強手順
最初に教科書を1周読んだあとに、過去問題集をメインに勉強をすすめていきくことをおすすめします。
宅建試験に合格するために必要な知識は膨大にあるため、問題を解き始める前に知識を定着させようとすると、問題を解き始めるまでにかなり時間がかかってしまいます。
宅建試験は過去問に似た問題が頻出するため、はじめから過去問をたくさん解いて「問題の型」を叩き込むのが、かなり効率的な方法だと思います。
「みんなが欲しかった!」シリーズの過去問題集は解説が充実しており、簡単な問題が最初にまとまっているので、教科書を何度も読んで知識のインプットが終わった後に問題を解き始める必要はありません。
過去問題集の解説を読んでも理解できないところは教科書をもう一度読んで知識をインプットして、同じ問題を何度も解きましょう。
過去問題集を2周ほどして、ある程度解説を見ないでも問題を解けるようになったら、不動産適正取引推進機構の公式サイトに掲載されている過去問を解き始めます。
過去問題集が解ければ過去問は解く必要ないと考える人もいると思いますが、過去問を解くのは合格を目指すにあたって絶対に必要です。
過去問題集は似たような問題がまとまって出題されるのでなんとなくで解けてしまうことがありますが、試験ではそんな出題のされ方はされません。
また、過去問題集は応用問題があまり掲載されていないので、過去問題集を完璧に解けたとしても当日合格点を取れるとは限りません。
過去問題集がある程度解けるようになったら過去問を試験当日まで繰り返し解いてください。
宅建試験では法律の問題が頻出しますが、法改定は頻繁におきるため過去問は直近過去5年分だけ解けば十分です。
掲載されている10年分の過去問を1回ずつ解くより、直近5年分を2回ずつ解くことをおすすめします。
宅建試験の合格点は公表されていないですが70点前後と言われているので、過去問で70点取れるまで何度も解きましょう。
・教科書を1回読んだら、過去問題集に着手する。
・過去問題集を2周してから過去問で70点取れるようになるまで繰り返し解く。
宅建試験の勉強で気を付けるポイント
宅建試験の勉強をする際に、気を付けるべきポイントは次の3点です。
- 試験前は最低3回分の過去問を通しで解く
- 「宅建業法」を最初に勉強する
- 「民法等利権関係」で合否が分かれる
1つずつ解説していきます。
試験前は最低3回分の過去問を通しで解く
「みんなが欲しかった!」シリーズの過去問題集を使って勉強することをおすすめしていますが、これを解いて満足して試験に臨んではいけません。
過去問題集をある程度解いた後に、公式サイトからダウンロードできる過去問を使って過去問を解くことをおすすめします。
過去問題集は似たような問題がまとまって掲載されているため、前後の問題の流れからなんとなく解けてしまうことがあります。
また、私の体感だと、過去問題集に掲載されている問題は、比較的簡単なものだけ掲載されていると感じました。
そのため、過去問題集が解けても試験当日に点数がとれるとは限らないので、過去問を解くことがとても重要です。
また、試験当日は問題数が多く出題されますが、時間はかなり限られるため、当日どのような時間配分で解いていくのかイメージするのにも、過去問を解くことをおすすめします。
過去問は最低でも3回分は解くべきですが、可能であれば5回分解くことをおすすめします。
「宅建業法」を最初に勉強する
宅建試験で出題される問題数は全部で50問、そのうち40%を占める20問は「宅建業法」の問題です。
「宅建業法」とは、お客様に不利益が生じないための宅建業者や宅地建物取引士のルールで、宅建試験の中で基礎となる試験科目と言えます。
試験科目 | 問題数 |
民法等利権関係 | 14問 |
宅建業法 | 20問 |
法令上の制限 | 8問 |
その他関連知識 | 8問 |
「宅建業法」は過去問と類似した問題が出題されるため、勉強したら必ず得点に繋がる科目です。
勉強した分得点につながる科目で出題数が多いため、この科目で点数が取れないと合格は難しいでしょう。
くれぐれもほかの科目に時間がとられてしまうことがないように、「宅建業法」を一番最初に勉強をすることをおすすめします。
試験当日の出題問題によって点数がぶれやすい科目もある中で、宅建業法は勉強をすれば安定して点数が稼げるため、9割以上を宅建業法で獲得できるようになれば、合格に近づきます。
「民法等利権関係」で合否が分かれる
宅建試験で出題される問題数は全部で50問、そのうち28%を占める14問は「民法等利権関係」の問題です。
「民法等利権関係」は民法の条文や判例について出題される科目です。
試験科目 | 問題数 |
民法等利権関係 | 14問 |
宅建業法 | 20問 |
法令上の制限 | 8問 |
その他関連知識 | 8問 |
「民法等利権関係」は、「宅建業法」の次に出題問題数が多い科目ですが、「宅建業法」のように過去問を丸暗記する勉強で点数を伸ばせる科目ではありません。
「民法等利権関係」では過去の判例について問われることが多いですが、過去の判例は1000程度存在し、過去問と同じ問題がそのまま出題される可能性はとても低いです。
過去問の例:
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次の1から4までの記述のうち、民法の規定、判例及び下記判決文によれば、正しいものはどれか。
(判決文)所有者甲から乙が不動産を買い受け、その登記が未了の間に、丙が当該不動産を甲から二重に買い受け、更に丙から転得者丁が買い受けて登記を完了した場合に、たとい丙が背信的悪意者に当たるとしても、丁は、乙に対する関係で丁自身が背信的悪意者と評価されるのでない限り、当該不動産の所有権取得をもって乙に対抗することができるものと解するのが相当である。
1.所有者AからBが不動産を買い受け、その登記が未了の間に、Cが当該不動産をAから二重に買い受けて登記を完了した場合、Cは、自らが背信的悪意者に該当するときであっても、当該不動産の所有権取得をもってBに対抗することができる。
2.所有者AからBが不動産を買い受け、その登記が未了の間に、背信的悪意者ではないCが当該不動産をAから二重に買い受けた場合、先に買い受けたBは登記が未了であっても当該不動産の所有権取得をもってCに対抗することができる。
3.所有者AからBが不動産を買い受け、その登記が未了の間に、背信的悪意者であるCが当該不動産をAから二重に買い受け、更にCから転得者Dが買い受けて登記を完了した場合、DもBに対する関係で背信的悪意者に該当するときには、Dは当該不動産の所有権取得をもってBに対抗することができない。
4.所有者AからBが不動産を買い受け、その登記が未了の間に、Cが当該不動産をAから二重に買い受け登記を完了した場合、Cが背信的悪意者に該当しなくてもBが登記未了であることにつき悪意であるときには、Cは当該不動産の所有権取得をもってBに対抗することができない。
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このような判例を1つずつ丸暗記するのは大変です。
判例を覚えるのではなくて、「民法の考え方」「民法より優先される憲法」など、ポイントを理解をしてから問題を解きましょう。
「民法等利権関係」は難しい分、点数の差がつきやすい科目なので、ほかの科目の勉強が一通り終わったら重点的に勉強して、安定的に7割程度の点数が取れるように頑張ってください。